人気雑誌の編集長と1時間ガジェットトーク!【2021年上半期】のトレンドと注目キーワードとは?(前編)

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ライフスタイルに大きな変化があった2020年。暮らし方が変わったことで欲しい家電やガジェットが変わったという方も少なくないはず。そこで家電やガジェットの「今」を最前線で見ている人気雑誌の編集長をお招きし、2021年上半期の家電 / ガジェットにまつわるキーワードや注目アイテムについて1時間じっくりとお話を伺いました (※2021年2月実施) 。前編となる今回は、2020年の「モノ」視点での振り返りと2021年上半期のビッグキーワードをご紹介します。



『家電批評』編集長 浅沼 伊織
 

1990年生まれ。2012年に晋遊舎に入社。「テストするモノ批評誌」MONOQLO編集部編集長を経て2020年より現職。「本当に役に立つモノ、良いモノを知りたい」をモットーに、旅行サ ービスやガジェットからマネー情報、部屋づくりアイテムまでオールジャンルで編集・テストを行ってきた。過去にライザップ覆面調査や1軒家貸し切りWi-Fiルーターテストなども企画。

『GetNavi』編集長  川内 一史

1984年生まれ。2006年に学習研究社 (現・学研プラス) に入社。ゴルフ誌、アニメ誌を経て、2012年に「賢い買い物をサポートするモノ・トレンド情報誌」GetNavi編集部へ。オーディオ・ビジュアルをメインで担当し、ポータブルオーディオ専門店「e☆イヤホン」とのコラボイベント「ポタ-1グランプリ」を立ち上げるなど、雑誌を超えた枠組みでも奮闘する。2020年7月、編集長へ就任。

        (※媒体名順)

 

Contents

 

おうち時間が増えたことで気づいた不便がヒットの鍵?「モノ」視点で2020年を振り返り!


 

ーー「モノ」という視点で見ると、2020年はどういう一年だったと振り返られますか?

川内さん:やっぱり新型コロナウイルスはめちゃくちゃ影響を与えたと思います。最初の緊急事態宣言が発令された当初は、テレワークやおうち時間に直結したような製品に注目が集まりましたが、途中からは逆にこの環境を最大限楽しむにはどうするか、QOL (Quality of Life) をどう上げていくかという方向にニーズが少しずつ変化していったように感じました。

『GetNavi』でよく紹介しているミシンや美顔ケアに関わるアイテムが、その代表例です。コロナ禍を少しポジティブに捉え、今までできなかったことを逆にこの機会にやってみようという機運。暮らしを楽しめる、QOLを高めてくれるような家電やガジェットが今すごくいい感じになってきていると思います。

浅沼さん:やはり巣ごもりがキーワードですよね。若干別の見方をするなら、正当に進化を続けていて良い製品がずっとあったジャンルに光が当たったように感じます。ミシンもその一つですし、他にはホットプレートが前年の83%増で売れていたり、大手キャリアが運営するE-bikeのレンタルが2020年6月だけで約120万回使われたり。生活スタイルが変わったことで注目されましたが、ちゃんと進化を続けていたからこそ皆が便利だと実感できたみたいな。

もちろん売れなくなったジャンルもありますが、巣ごもりをキーワードに、良いものが割と売れたんじゃないかなっていう年でした。あとは、旅行ができなかったり10万円の配布もあったので、高い家電を買う層が少し増えたような気もします。

Anker Magazine編集部:家電やガジェットは世相を映すということですね。家の中でどう暮らすか、たとえばAnkerグループの中でも、特にロボット掃除機やモバイルプロジェクターに多くの方の熱視線を感じた一年でした。

浅沼さん:『家電批評』は一切広告を採らない雑誌で、あまりこういう場には出ないのですが、実際に比較してきた結果として、Ankerグループのプロジェクターやロボット掃除機はかなり進化してきてますよね。だから今回のお話をお受けしたのですが、実際に使ってみた人たちも恐らくその進化に驚いたんじゃないですかね。この価格でここまで進化していたのかって。そういった風に、コロナ禍で新たに製品に出会い、好きなメーカーやブランドが増えた人も多いと思います。

Anker Magazine編集部:ロボット掃除機は高いというイメージを抱かれている方も多いのですが、実際に探してみたら、意外と手の届きやすい価格でも色々なモデルが出ているぞということに気づいていただけた2020年という感じがしています。

浅沼さん:あとIoTも増えましたよね、ここ一年で。ロボット掃除機もそうですが、インターネットに繋がる製品が当たり前になってきました。

川内さん:それはありますね。今1歳10ヶ月ぐらいの子どもがいるのですが、コロナ禍で保育園に預けられなかった期間は (子どもをあやしたりして) 両手塞がると大変だったので、音声操作は必要性を実感しましたね。今までは「リモコンでやればよくない?」っと思っていたのですが、そういう需要があることを切に感じました。

浅沼さん:僕たちが言っちゃいけないんですけど、音声操作って実はあまり使わなかったじゃないですか、正直 (笑) それがわりと使うようになった感じはありましたね。

川内さん:確かにあまり使わなかった (笑) でも、今ではしっかり使っています。

Anker Magazine編集部:2020年は自宅で過ごす時間が増えたことで、今まで気づかなかった不便に気づくという年でもあったんですね。

 

2021年上半期の注目は「身体 / 健康」。「ウェアラブル」と「パーソナル化」も見逃すべからず!


 

ーー2020年はライフスタイルの変化もあり、必要とされる家電やガジェットにも大きな変化がありました。この流れを受けて、「モノ」視点での2021年上半期のキーワードや目を付けているポイントはありますか?

浅沼さん:僕は雑誌の企画を作るときに、今世の中が求めている、探しているなと感じることをやり続けているのですが、そのポイントに今ピッタリなのが「身体」ですね。今までも身体や健康に関わるTechはありましたが、一部の好きな人だけが使うという印象でした。それがコロナ渦でリアルに皆が必要としていたり、それに関わるアイテムも手が届きやすくなっているように感じます。

3つほどキーワードがあるんですが、その一つ目は「ウェアラブル」。僕は大好きなのでスマートウォッチをずっと使っているんですが、Apple Watchが血中酸素濃度に対応したり、この前心電図が認可されて対応したりと、自分の身体を見守るようなものとして完成度が上がってきた印象です。実際、スマートウォッチも集めて比較してみたのですが、ストレス度だったり睡眠分析だったり、スマートウォッチは自分の健康状態を改善するきっかけアイテムになってきています。価格帯も手頃になってきていて、一万円ちょっとで血中酸素濃度の測定ができるモデルもあります。ちなみに、僕がオススメなのはリング型のウェアラブルアイテム。睡眠分析ができるんです。こういうガジェットが数万円で買えるというのは時代に合っているし、健康や身体のことは今多くの方が気になっていると思うので、今年は増えていくんじゃないかな。

二つ目は「疲れ対策」です。テレワークやリモートワークが増え、体が凝ったりストレスが溜まったりしているためか、マッサージシートが2019年と比べて4倍くらい売れたりしています。美容機器も広い意味ではその一つだと思うのですが、どうせ家にいるなら時間もあるし、身体をケアしようという意識がより広がっていくと見ています。

最後が「コロナ太りの解消」。屋内での運動をサポートする家電やガジェットを一時的に使うのではなく、今後も続けていくという人が増えそうな気がしています。実際に使ってみると、運動ができるだけでなく、割とストレス発散にもなるので。これまでガジェット好きが使っていたアイテムが一般に広く普及していきそうです。あと僕は、お風呂にもゆっくり入るようになりました。

Anker Magazine編集部:通勤をしないこともあって、運動量が確実に減ったことで身体が重くなった自覚と新型コロナウイルスによる健康への意識の高まりが相まって、家の中で解決しように繋がったということですね。ちなみに、お風呂で使えるガジェットでお気に入りはありますか?

浅沼さん:顔に装着するだけでリフトアップができるマスクの防水タイプですね。今、1ヶ月でどれくらい小顔になるかガチで検証中です。あとお風呂でラジオを聴くので、iPadのアプリからBluetoothで繋げるスピーカーも使ってます。Ankerさんの「Soundcore 3」。お風呂の壁がマグネットになっているので、棚をくっつけてマスクとスピーカーとiPadを置いています。

川内さん:浅沼さんの仰る通り、健康や身体に関するアイテムは出てきてますよね。あと、僕がこのテーマで言おうと思ってたのは「パーソナル化」。結構進んでいて、空気清浄機のように一家に1台だったアイテムが小型化され、一部屋あるいは一人1台になってきています。ガジェットだとそもそも一人で使うものが多いのですが、白物家電でもそういう製品が出てきている。

Anker Magazine編集部:面白いですね。家族と過ごす時間が増えた中で、自分のスペースや時間をどう確保し、どう快適に自分らしくカスタマイズしていくかというニーズが生まれたということでしょうか?

川内さん:そうだと思います。自分への投資ですかね。

 

最近よく聞く「デジキャンプ」。2021年に広がる?広がらない?


 

ーー最近挙がっている注目キーワードに「デジキャンプ」がありますが、お二方はどう見られていますか?

浅沼さん:今までキャンプをやっていなかった友達が最近になって「冬キャン行こうぜ」と誘ってくれるので、注目キーワードとしてはあるなと思います。晋遊舎で出しているキャンプ本もすごく売れていますね。僕はキャンプが好きなので行きたいとは思うのですが、年齢を重ねれば重ねるほど不便が楽しくなくなってきて (笑) 

Anker Magazine編集部:なるほど。今までキャンプを敬遠していた方は不便が合わなかったり、わざわざ出かけて行って、なぜ大変な思いをしなきゃいけないのかという思いも多かれ少なかれあるからこそ、デジタルで少し快適にという発想が出てきているということですかね?

浅沼さん:そうですね。キャンプ始めようと思って読む “The” キャンプ雑誌はデジタル機器があまり多く取り上げられていない印象を持っているので、デジキャンプの仕方を教えてくれる場があれば、僕はもう少しキャンプ人口が増えるんじゃないかと思っています。

川内さん:仰る通りですね。僕はキャンプあまりやらない派なのですが、初心者は不便は辛い上に怖いんですよね。でも、電気が使えて家電も持ち込めるとなればハードルがグッと下がると思います。

あとは、ポータブル電源が一台あると大きな電力が使えるようになるので、日常と非日常なキャンプの垣根がなくなってシームレスになっていきそう。AC電源がついているポータブル電源なら、たとえば小型のドライヤーを持ち込んだって別に大丈夫なわけですし。

Anker Magazine編集部:ガジェットで日常生活とシームレスに繋がるキャンプというのは、興味深いです。

浅沼さん:あの量の電力が持ち運べるポータブル電源って、やっぱりすごいですよね。外でドライヤー使うとか今までは考えたこともなかったじゃないですか。でも、それができる。 今はポータブル電源で使える炊飯器とかもあるわけで。デジキャンプなら、安くはないですがポータブル電源はマストになってくるんじゃないかな。

 

後編に続く >

 

新型コロナウイルスと切っても切り離せない2020年は、ライフスタイルの変化と同時に家電やガジェットのニーズも大きく様変わりしました。その流れを汲みつつ、2021年のキーワードとして挙がった「身体 / 健康」や「デジキャンプ」はどんな盛り上がりを見せるのでしょうか。後編は、両編集長が今気になっているアイテムやカテゴリについてお話を伺います。引き続き是非、お楽しみください。